こんにちは。求人広告代理店エー・ディー・ビーのブログ担当です。
 
弊社は創業30年目、求人を専門に取り扱う広告代理店として北千住にあります。
時代と共に移り変わりの激しい広告業界で、歴史のある方ではないかと思っています。
 
弊社の代表、近藤がこの仕事を始めたころは、求人は新聞の枠に2〜3行程度の広告を載せるのが主流だったそうです。
それもびっしりその枠を文字で埋め尽くしてしまっては全く目立たず見てももらえないことから、文字数は少なくなっても余白を大事にし、キャッチーな言葉で注目を集めていたそうです。
 
余白が、文字を際立たせるんだ・・・。
 
と、なぜそんな話をしているかというと、ふと、うちの代表のことをこれまでほとんどお伝えしてきていないことに気が付いたのです。
ほとんどというか今回初めてではないでしょうか。
 
うちの社長を紹介します。
 

■30年以上前の広告と、企業のあり方

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インタビュー担当(以下、イ):社長、今日は社長のことを知りたくてインタビューしたいんです。よろしくお願いします。
 
近藤:あのさ、今日まだ昼も食ってないのよ!パン食べながらでいい?(この時すでに14:00)
 
イ:あ、ハイ・・・。
でもその年齢でお昼を食べられないほど忙しくしてるってすごいですね。
 
近藤:今73歳!もうすぐ死ぬから!食べる時間もないほど忙しいけど、食べないと死んでしまうから。(メロンパンを食べながら)
※実年齢より上にサバ読んでます。
 
イ:いや、死なれたら困りますから。しかしそんなに忙しいんですね。
 
近藤:退屈が嫌いなの。
 
イ:社長にとって退屈って何ですか?
 
近藤:それはやりたくもない仕事やってたり、関わりたくない人との時間とかさ、そういうのを退屈って言うんだ。
あのね、ぼーっとする時間っていうのは退屈とは違うから。
むしろその時間が欲しい。ぼーっとしてるってずっと続くわけじゃないし、それは大事なのよ。
 
イ:退屈じゃない、満たされた状態ってどういう状態ですか?
 
近藤:完全に満たされた状態じゃダメなのよ。6、7割だね。3割4割くらいの遊びがないと。余分な空間。
だって空間がいっぱいになったらさ、もう窮屈じゃん。無駄な空間があったほうが楽なのよ。
 
その空間も遊びばっかりじゃない。実は満ち足りてるから。目に見えない、必要な空間。広告代理店はそういうのが満たされる仕事かなと。
 
イ:そもそも社長が広告代理店を始めるきっかけって何だったんですか?
 
近藤:忘れました!
 
イ:いやいやいや(汗)教えてくださいよ。
 
近藤:昔若い頃はさ、社会のお金の流れを知りたくて金融業で勤めてたの。
 
経済、経営の本質を知りたかった。まあそこで色んな出会いがあって、そのうちの1人の社長に誘われて広告代理店を始めたんだよね。
当時から求人広告。個人で歩合制にしてもらって仕事を受けてた。
 
これがやってみると面白くて、色んな会社の社長に話を聞いて、どんな求人載せますかと。
でも「世の中にこういうものを出していきたい!」っていう人はほとんどいないのよ。
自分の都合だけ。それが実に面白くてさ。
 
勝手なことばっかり言うんだな〜って、こちらはそういう話を聞いたら今度は原稿にしなきゃならない。あーでもないこーでもないって考えて。
3行か4行の原稿をさ。ひどい人なんか2行でいいよとか言うんだから。
この枠いくらすると思ってんだ!って話なんだけど。
 
あの当時は新聞の行物といって、3行4行の求人広告が主流だったのね。
パソコンなんてないし鉛筆で原稿用紙にめいいっぱい書くわけ。こうやって思いが伝わるように!って。
でもびっちり書いたら余白がないから目立たないでしょ。わーっと文字が並ぶ紙面の中で。
目立たせようと思ったら余白が必要。
やっぱり空間は必要だよなって。
 
目立たなかったら何が書いてあるのか、何を語ってるのか誰にも伝わらない。そういうのを考えるのが面白かったよね。
 
イ:そういうアイディアを考えるのが面白かったんですね。
 
近藤:そういうのをやってるうちに今度は雑誌がぐんぐん伸びてきて、飲食店とかパーマ屋さんの募集とか、病院、介護施設、大きい工場、運送会社の募集。
 
結構みんな勝手なことばっかり言ってさ。
こんなに素晴らしい労働環境ですよって。
それで実際に行ってみると全然良くない。嘘ばっかり言う。
 
それで人が来ないって言ってるから、当たり前だろうと。
人が来てないんじゃなくて、人は来てるわけ。調べれば誰が面接に行ったかわかるから。
 
採用しても待遇が悪いから、環境が悪いからすぐやめちゃうんですよ。
それで辞めたことをこちらのせいにするわけ。
「あの原稿よくないよ〜」「媒体がよくないよ〜」って。
 
そのうちそれが嫌になって、
「誰々という人来てますよね?どういう対応したんですか?」と聞くようになった。
 
すると「いや〜、あれは〜」って担当者は大体言うから、
「問題は採用する側の姿勢、考え方、扱いがなってないということでしょう。
労基署や職安からも通達が来たことあるでしょう?それに合わせなきゃ人は居つかないんですよ!」
っていう話をして。少しずつ変わってくる会社もあって。
 
自分の都合の良いことばかり言ったって物事は通らない。だから妥協というのは必要なんですよ!ということを伝えてた。
 
イ:おおおおお。もはや広告代理店の域を越えてますね。
ということは、社長は求人広告で企業のあり方を変えてきたってことですね。なんだか少し理解できた気がします。
 
近藤:物事というのはキャパをもって、幅広く緩やかに受け取っていかないとね。
 
 
73年(?!)の深みのある言葉。次回もインタビューの続きをお見せしようと思います。

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